トランプ氏、イラン発電所攻撃猶予を再延長 交渉難航で地上戦も
米国とイスラエルが続ける対イラン軍事作戦を巡り、トランプ米大統領は26日、自身が警告してきたイランの発電所などへの攻撃について、猶予期間を10日間延長すると表明した。新たな期限は米東部時間4月6日午後8時(日本時間7日午前9時)となる。延期は2度目で、戦闘終結に向けて「交渉」しているとするイラン政府から要請があったとしている。
米政権はイランに15項目の停戦計画を提示し、受け入れるよう圧力を強めている。トランプ氏は自身のソーシャルメディアで交渉が「非常に順調だ」と主張。ただ、交渉が難航すれば、地上作戦に踏み切る可能性も取り沙汰されている。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は26日、米国防総省は中東に最大1万人の地上部隊の追加派兵を検討していると報じた。作戦開始から28日で1カ月となる中、重要な岐路を迎えている。
トランプ氏は21日、エネルギー輸送の要衝ホルムズ海峡を事実上封鎖しているイランに対して解除を要求し、応じない場合は発電所などへの攻撃を警告。23日にはイラン側との協議の進展を条件に猶予期間を「5日間」延長し、その期限が今週末に迫っていた。
トランプ氏は米FOXニュースで、攻撃停止期間の再延長に関し、イラン側から自身の側近に要請があったとし、「『もう少し時間をもらえないか』と非常に丁寧に言ってきた」と主張。イラン側は7日間の延長を求めたが、トランプ氏が10日間と決めたと説明した。
ただ、WSJは交渉の仲介関係者の話として、イラン側は延長を求めていないと伝えている。
攻撃停止期間を巡るトランプ氏の発言に先立ち、イランのタスニム通信は、イランが米側に対し、15項目の提案への正式な返答を25日夜に提示したと報じた。「攻撃や暗殺の停止」など戦闘終結に向けた5項目の条件を示したという。
ロイター通信によると、イラン高官は米による15項目の提案は「一方的で不公平だ」と批判。現状での米側との協議については「現実的ではない」と語った。
米国とイランはパキスタンの仲介で間接的にやり取りしているが、双方の要求には隔たりがある。現状では互いに強硬な姿勢を崩しておらず、先行きは不透明だ。
トランプ氏は26日の閣議で、イランが「ディール(取引)の成立を懇願している」と改めて主張した上で「我々がそうする意思があるのかはわからない」とも述べ、揺さぶりをかけた。
イランのアラグチ外相も25日、イラン国営放送のインタビューで、米国が「友好的な国々」を通じてさまざまなメッセージを送ってきていることを認めたが、「交渉や対話とは呼べない」と強調。「現時点で交渉するつもりはない」と語った。
外交の駆け引きが活発になる中、交戦は26日も続いた。イスラエルはイラン全土に対し大規模な攻撃を実施。イランの精鋭軍事組織・革命防衛隊のタンシリ司令官ら海軍幹部を空爆で殺害したことも発表した。タンシリ氏がホルムズ海峡の封鎖に関与していたと主張した。
一方、イランもミサイルやドローンをイスラエルの軍司令部などに撃ち込んだ。湾岸諸国にも攻撃し、アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビでは、迎撃された弾道ミサイルの破片が落下して2人が死亡した。【ワシントン松井聡、ロンドン福永方人】
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