イスラエル、レバノンと直接交渉へ 米国の攻撃縮小要請に応じる

2026/04/10 18:31 

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 イスラエルのネタニヤフ首相は9日、可能な限り速やかにレバノンとの直接交渉を開始するよう閣僚に指示したと表明した。交渉の焦点はイランから支援を受けるレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの武装解除やレバノンとの「平和的関係の構築」になる見通しという。

 これに先立ち、米メディアなどは9日、トランプ米大統領がネタニヤフ氏に対し、レバノンへの攻撃を縮小するよう要請していたと報じた。11日にパキスタンの首都イスラマバードで米国とイランの戦闘終結に向けた交渉が始まるのを前に、協議への影響を抑えたい狙いがあるとみられる。

 イランはイスラエルによるレバノンへの攻撃は「停戦合意違反」として戦闘停止を要求していた。停戦合意にはヒズボラを含む武装組織との戦闘停止も含まれると主張し、攻撃が継続されれば交渉離脱も辞さない構えを見せた。

 一方、イスラエルは8日にも、ヒズボラの軍事拠点など100カ所以上に対する大規模攻撃を行い、これまでに300人以上が死亡した。ロイター通信によると攻撃は9日も続いた。

 米ニュースサイト「アクシオス」などによると、米イスラエルは「レバノンは停戦合意の対象外」との立場を示しているが、トランプ氏は8日、ウィットコフ中東担当特使も交えてネタニヤフ氏と電話協議を実施。レバノンへの攻撃の縮小と交渉の実施を促したとされる。イスラエルとレバノンの駐米大使が来週にも米ワシントンで協議を始める可能性があるという。

 ただ、レバノンとイスラエルの間では食い違いもみられる。中東の衛星テレビ「アルジャジーラ」などによると、レバノンは即時停戦を要求しているが、イスラエルのカッツ国防相は地元メディアに「戦争は止まらない」と否定した。また、ロイターは、ヒズボラがイスラエルとの直接交渉を拒否していると報じた。

 一方、イランでは9日、国営テレビで最高指導者のモジタバ・ハメネイ師の声明が読み上げられた。モジタバ師は「イランは戦争を求めていないが、自らの権利を放棄することはない。全ての抵抗戦線を一体の存在とみなしている」と述べた。また、原油輸送の要衝であるホルムズ海峡についても言及し「海峡の管理を新たな段階に移行させる」と主張した。

 11日に予定されている米国とイランの協議では、イラン側の交渉団はガリバフ国会議長が率い、アラグチ外相や革命防衛隊幹部も含まれる見通し。米国からはバンス副大統領やウィットコフ氏らが出席する。カタールやサウジアラビアなど湾岸諸国の代表団も会合に参加する可能性があるという。【カイロ古川幸奈】

毎日新聞

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