ロシア、対独戦勝記念の軍事パレード 安全対策で縮小、徒歩隊列

2026/05/09 19:56 

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 ロシアのプーチン政権は9日、旧ソ連の対ドイツ戦勝を記念した軍事パレードをモスクワの赤の広場で実施した。毎年恒例だった戦車やミサイルなど兵器の車列を取りやめ、約20年ぶりに徒歩隊列中心とした。ウクライナでの「特別軍事作戦」が4年以上続く中、大幅な規模縮小となった。

 プーチン大統領は演説で「世界を救ったソ連国民の偉業は、特別軍事作戦の戦士たちに勇気を与えている。彼らは、北大西洋条約機構(NATO)加盟国全体から軍事支援を受ける侵略軍に立ち向かい、前進している。勝利は常に我々のものだ」と訴えた。

 旧ソ連のベラルーシやカザフスタンなど約5カ国の首脳が観覧した。第二次世界大戦終結80周年の節目だった昨年は、中国の習近平国家主席ら約25カ国の首脳が参列していた。パレードは、対露支援で派兵している北朝鮮の部隊も初めて参加し、約45分で終了した。

 ロシアはここ数カ月、ウクライナ軍の長距離無人航空機(ドローン)などによる大規模な反撃を受けてきた。国内各地の石油関連施設で火災が起きたほか、今月4日には赤の広場から約7キロの高層住宅にも直撃した。そのため、安全対策を重視してパレードを縮小し、各部隊の活動を紹介する映像を交えた。

 ウクライナのゼレンスキー大統領は4日、訪問先のアルメニアでの欧州各国首脳らとの会合で、「彼ら(露当局)はドローンが赤の広場上空を飛び回ることを恐れている。彼らが今は強くないことを示している」と訴えていた。

 戦勝記念日を前に、ロシアは8、9両日の一時停戦、ウクライナは6日からの停戦実施をそれぞれ主張したが攻撃の応酬は続いた。8日にはトランプ米大統領が、露・ウクライナの双方が9日から3日間の一時停戦に合意したと発表したが、その成否は不透明だ。

 ロシアでは1991年のソ連崩壊後、赤の広場での軍事パレードは兵器の車列無しで実施していた。これを復活させたのは2008年で、以降は政権がロシアの軍事力や国力をアピールする機会となってきた。【モスクワ真野森作】

毎日新聞

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