コロナ後の平壌 訪朝20回の写真家が見た市民の生活とは

2026/08/31 16:00 

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 シンガポール出身の写真家、アラム・パン氏(50)は2025年10月、8日間にわたり北朝鮮の首都・平壌に滞在することに成功した。新型コロナウイルスの全世界的な流行に伴う国境封鎖後の平壌で、市民はどんな生活を送っているのか――。

 北朝鮮当局は24年から一部で外国人観光客の受け入れを再開したが、いまだに入境を厳格に規制している。パン氏は今回が20回目の訪朝。朝鮮労働党の創建80年(25年10月10日)の行事に合わせ、北朝鮮政府から招かれた。前回はコロナ禍前の18年8月で、7年ぶりの訪朝となった。

 パン氏は、北京から北朝鮮の高麗航空便で平壌に向かった。機内ではハンバーガーなどの食事が提供された。「味は薄めだが、ロッテリアとたいして変わらない味だった」と言う。

 平壌での訪問先は北朝鮮側が事前に指定し、当局の案内員が同行した。パン氏は「平壌の街は、前回の訪問時に比べて新しく舗装された道路が増え、新たなビルが増えていた。各地で工事も進んでいた」と話す。

 また前回以上にスマートフォンが広く普及していた。パン氏は「今ではほとんどの平壌市民がスマホを持っている」と言う。買い物の際のスマホ決済アプリ「三興(サムフン)電子財布」なども広く使われていたという。

 パン氏は平壌中心部の羊角島(ヤンガクド)国際ホテルに宿泊した。ホテル内だけはWi-Fi(ワイファイ)がつながり、インターネットに接続できた。インスタグラムやフェイスブックも使えたという。しかしなぜか「TikTok(ティックトック)」のアプリは開かなかったという。通信料金は10分あたり1・7ドル(約270円)だった。

 パン氏によると、北朝鮮の市民もスマホなどでネット接続できるが、外部のネット空間にはアクセスできない。北朝鮮内だけのイントラネットとみられる。

 パン氏は案内員の招きで、平壌市内の「牡丹峰(モランボン)レストラン」や「大同江(テドンガン)ビール店」で飲食した。朝鮮料理に加え、刺し身や唐揚げ、ソーセージなど多彩なメニューがあった。支払いは米ドルや中国の元の紙幣が使えた。

 市内には24時間営業の薬局があった。玩具店では大陸間弾道ミサイル(ICBM)の形を模したおもちゃなどが売られていた。

 パン氏は過去には地方都市に訪れた経験もある。写真や動画は自身のインスタグラム「DPRK360」やユーチューブなどにアップしている。

 北朝鮮当局は、外国人には宣伝したい場所だけを見せている可能性が高く、取材の制限も少なくない。だがパン氏は「今後も北朝鮮を訪れ、人々の日常生活などを記録したい」と話した。【ソウル福岡静哉】

毎日新聞

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