AI自ら標的を識別・選択するドローンで民間人死亡 ロシア使用

2026/09/01 18:46 

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 米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は1日までに、ロシアが7月にウクライナ南部ザポリージャで、自ら標的を識別・選択する人工知能(AI)搭載の無人航空機(ドローン)による攻撃をガソリンスタンドに仕掛け、一般市民3人が死亡したと報じた。専門家の分析として、AIが自律的に標的を最終決定するロシアのドローン攻撃で「民間人の犠牲者が確認された初のケース」としている。

 NYTによると、ウクライナ軍も自ら標的を識別・選択するAI搭載のドローンの開発を進めている。7月に国防相を更迭されたフェドロフ氏は同月末のインタビューで、ロシアが一方的に併合したウクライナ南部クリミア半島で過去数カ月にわたって燃料貯蔵施設などを標的とした試験を実施したと明かしたという。民間人の死者は出ていないとしている。

 ロシアとウクライナ双方はドローン攻撃でAIの活用を進めている。これまでは最終的な標的の選択は遠隔操作などで人間が行っており、AIは標的に命中するまでの自動追尾などに使われてきた。

 AIが標的を自律的に選択するドローン攻撃はザポリージャなどで散見されているとみられる。ウクライナ軍関係者は「世界にとって脅威だ。数年後には映画『ターミネーター』のような世界になっているだろう」と指摘している。

 一般市民が犠牲となった攻撃では、小型の模型飛行機のようなドローンが用いられた。ガソリンスタンドに向かって飛行したが、直前に壁にぶつかって爆発し、近くにいた19歳の女子大生ら3人が巻き込まれたという。

 ウクライナ軍や専門家らが残骸を調べたところ、ドローンは米半導体大手エヌビディアが市販する小型コンピューターを搭載していた。標的はプロパンガスタンクだったとみられ、ガソリンスタンドに接近後にAIが識別・選択できるようになっていた可能性が高いという。目的地のガソリンスタンドは人間がプログラムを設定していた。

 専門家らは実験段階の攻撃と評価。米シンクタンク「戦略国際問題研究所」(CSIS)の上級フェロー、カテリーナ・ボンダール氏はNYTに「エヌビディアの小型コンピューターの存在こそが、ロシアがAIによる自律型ドローンの実験を行っている最良の証拠だ」と指摘した。

 人間の介入なしに自動的に標的を識別して攻撃する兵器は「自律型致死兵器システム」(LAWS)と呼ばれる。AIが標的を誤って判断する危険性や攻撃の責任の所在があいまいになるなどの懸念が指摘されており、国連で規制に向けた議論が続いている。【ブリュッセル鈴木一生】

毎日新聞

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