「1人の標的に民間人500人」 ガザ映画、イスラエルで波紋

2026/09/15 09:32 

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 パレスチナ自治区ガザ地区の攻撃の実態に迫ったドキュメンタリー「NAZA(ナザ)」が12日、ベネチア国際映画祭で審査員特別賞を受賞したことがイスラエルで波紋を呼んでいる。

多くの民間人の犠牲を前提とした攻撃の実態を伝えた映画にイスラエルでは反発の声が相次ぎ、ゾハル文化・スポーツ相は製作に関わった2人のイスラエル人監督の「国籍剥奪のために行動をする」と主張した。

 NAZAを手がけたのは、ユバル・アブラハーム氏とラヘル・ショール氏の両監督。2人は2025年、ヨルダン川西岸地区の占領にあらがう住民を追い、米アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を受賞した「ノー・アザー・ランド 故郷は他にない」でも共同監督を務めた。

 NAZAはイスラエル軍内部で使われる用語で、巻き添えとなる民間人被害を指す。映画は24人の軍や諜報(ちょうほう)関係者の匿名証言で構成。人工知能(AI)を使いイスラム組織ハマスの関係者を特定し、子どもが同じ建物にいることを分かった上で爆撃したなどの証言を紹介。中には「1人の標的の殺害に500人の巻き添えが承認されていた」と語る証言もあった。

 ◇監督「犯罪行っているのは私たちの国」

 23年10月のハマスの越境攻撃をきっかけに始まったガザの戦闘で、ガザ側では7万3000人以上が死亡している。イスラエル軍は「民間人の犠牲を最小限にしている」などと主張しているが、映画は軍の主張に真っ向から疑問を投げかけている。11日の映画祭での上映後は、25分間もスタンディングオベーションが続き話題を呼んだ。

 ただネタニヤフ首相は14日、「我々は反ユダヤ主義と闘っているが、それが内部から生じるのならば容認できない」と非難。イスラエル軍は映画の主張について「断固として拒否する」と主張した。

 監督のアブラハーム氏は授賞式で「映画を見ずに否定するイスラエルの政治家たちを思うと、ここに立つのは容易ではない」と吐露。「イスラエル人がこの映画を見ることが重要だ。犯罪を行っているのは私たちの国だ」と訴えた。【エルサレム松岡大地】

毎日新聞

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