養育費立て替え 市支援、2年間で21世帯分 回収3割 兵庫・明石

2024/09/28 09:55 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 離婚相手が支払わない子どもの養育費について、全国に先駆けて立て替え・回収の支援に取り組む兵庫県明石市が、2年間で21世帯分(計317万円)を立て替えたことが市への取材で分かった。一方、回収できたのは7世帯分(計79万円)と3割だった。市は「養育費を子どもに届けるというのが何より優先。未回収分は引き続き督促していく」としている。

 ひとり親世帯の子育て支援として2022年8月にスタートした。月上限5万円(最長3カ月)を市が立て替える。さいたま市も5月から同様に制度化。他自治体でも民間の養育費保証サービスの保証料助成などが全国に広がりつつある。

 明石市の市民相談室によると、2年間で申し込みは計33世帯。12世帯分は立て替え前に市の要請で離婚相手が支払いに応じたという。20年度に実施した別の緊急事業では立て替えた15世帯分のうち8世帯分が現在も回収できていない。未回収は離婚相手が所在不明のケースが多いという。

 同室は「(公費支出は)悩ましい問題だが、そういう家庭の子どもが特に支援を必要としている。市の事業は継続しつつ、一律の制度化を国に働きかけたい」としている。

 この他に市は養育費や面会などの取り決めに関する手引きを配布し、離婚相手の財産差し押さえに関する費用なども補助する。一方、悪質なケースで氏名公表や行政処分などを盛り込んだ条例制定も検討していたが、反対意見も多く、現在も「検討中」としている。【入江直樹】

毎日新聞

政治

政治一覧>

写真ニュース