ゼレンスキー氏がトランプ氏と会談 ウクライナ侵攻巡り見解に違いも
ロシアの侵攻を受けるウクライナのゼレンスキー大統領が27日、米東部ニューヨークでトランプ前大統領と会談した。前日のバイデン大統領とハリス副大統領との会談同様、ゼレンスキー氏はトランプ氏に対し、対ロシアの「勝利計画」を説明した。
ウクライナは米国からの継続的な財政・軍事支援を求めている。11月の米大統領選でトランプ氏が返り咲いた場合に備えて、バイデン政権同様、トランプ氏にも支援継続を訴えたとみられる。
米メディアによると、会談はトランプタワーで約40分行われた。ゼレンスキー氏は会談後、X(ツイッター)に「我々は戦争を止めなければならないとの認識を共有している」と投稿した。トランプ氏は自身が設立したソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に、自身が大統領選で敗北すれば「戦争は終わらず、第三次世界大戦に突入するだろう」と書き込んだ。
約5年ぶりに開かれた会談は、両者の関係がぎくしゃくする中で行われた。ウクライナ側には、トランプ氏が返り咲けば領土の一部をロシアに割譲する条件で停戦を迫られるとの警戒感がある。一方、「米国第一主義」を掲げるトランプ氏は巨額支援に懐疑的で、ゼレンスキー氏を「おそらく地球上で最高のセールスマン」などと皮肉ってきた。
米メディアによると、両者はこの日、握手をして会談に臨んだ。しかし、トランプ氏が会談前に報道陣に対し、ゼレンスキー氏だけでなく、ロシアのプーチン大統領とも「非常に良い関係にある」と語ると、ゼレンスキー氏が「我々の関係がさらに良くなることを望む」と口を挟む場面があった。
会談後の米FOXニュースとのインタビューでも見解に違いが出た。トランプ氏は自身が再選されれば、戦争終結に向けて「非常に公平で早期のディール(取引)ができる」と主張。ゼレンスキー氏同様、「プーチン氏も戦争をやめたがっている」と述べた。これに対し、ゼレンスキー氏は「(プーチン氏に)圧力をかけるため、手段は選ばない」と強調した。【ニューヨーク中村聡也】
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