イスラエル首相「ヒズボラの弱体化を続ける」 国連一般討論演説
イスラエルのネタニヤフ首相は27日、国連総会の一般討論演説で、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとの戦闘について「我々のすべての目的が達成されるまで、ヒズボラの弱体化を続ける」と述べた。
昨年10月にイスラム組織ハマスとの戦闘が始まってから初めての一般討論演説となった。ネタニヤフ氏は冒頭、昨年の同時期はサウジアラビアとの国交正常化に向けた合意間近だったと指摘。ハマスによるイスラエル攻撃が中東情勢を一変させたとした。
パレスチナ自治区ガザ地区での戦闘については、イスラエル軍はハマスの大隊の大部分を壊滅させ、ロケット弾の「90%」を破壊したと主張。「すべての人質が戻るまで戦いをやめない」と従来の姿勢を強調した。
また、ハマスとヒズボラを支持するイランを名指しし、「もし我々を攻撃するなら、我々も攻撃する」と挑発。「ヒズボラが戦争への道を選ぶなら、イスラエルは他に(戦争以外の)選択肢はない」とも述べた。
ネタニヤフ氏は今年の国連総会では当初演説するつもりはなかったものの、各国から中東情勢を巡り批判を浴びる中で「イスラエルについての記録を正すために」登壇したと語った。国際刑事裁判所(ICC)がネタニヤフ氏らに戦争犯罪の疑いで逮捕状を請求したことについては「反ユダヤ主義」だとした。ICCはハマス幹部にも同様の逮捕状を請求している。
ネタニヤフ氏の演説前に、アラブ諸国の代表らは抗議の意思を示して議場を離れた。
イスラエル首相府は27日に発表した声明で、米仏などが主導したヒズボラとの21日間の停戦案を巡り米国の努力に謝意を示した上で、米国と今後数日間にわたり協議を継続する予定とした。【ニューヨーク八田浩輔】
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