中東情勢 石破首相「必要な対応策の検討を指示」

2025/06/18 12:27 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 石破茂首相は17日午後(日本時間18日午前)、訪問先のカナダ西部カルガリーで記者会見を行った。イスラエルとイランの攻撃の応酬が続く中東情勢に関し「混乱が長引き、ガソリンなど石油価格の急激な上昇が継続する場合に備え、国民生活に大きな影響を及ぼすことがないよう必要な対応策の検討を指示した」と明らかにした。米国の関税措置などへの対応を挙げ、「政権与党として、喫緊の課題に決して隙間(すきま)を作ることがないよう、全力を尽くす」とも強調した。

 首相は16日午後(日本時間17日午前)にカナダ西部カナナスキスでトランプ米大統領と会談。トランプ政権による自動車関税や「相互関税」の引き下げに向けた協議については合意に至らず、閣僚間で協議を続けることで一致した。首相は会見で「引き続き我が国の国益を守りながら、日米双方に利益となる合意が実現できるよう、日米間で精力的に調整を続けていく。ゆっくり急ぐことが大切だ」と述べた。また、24~26日にかけてオランダ・ハーグを訪問し、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に出席する意向も表明した。

 首相は、物価高対策として表明した全国民対象の一律2万円給付などの現金給付に関し「消費減税にはそれなりの時間がかかる。物価高に苦しんでいる方々に対する対応としては、給付金の方がはるかに効果的だ」と意義を強調した。野党が主張する消費減税については「消費税は社会保障に充てられる貴重な財源だ。消費減税は慎重な上にも慎重であるべきだ」と述べ、重ねて慎重な姿勢を示した。

 内閣不信任決議案への対応については「野党が提出を決定したとは承知しておらず、仮定の質問へのコメントは差し控える」と述べるにとどめた。【カルガリー田所柳子】

毎日新聞

政治

政治一覧>