石丸新党の新人、視察先の高校で政党PR 学校側の抗議で動画削除

2025/06/27 20:23 

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 参院選(7月3日公示)に全国比例で立候補する予定の、地域政党「再生の道」の新人、浦野仁氏(30)が、山形県内の私立高校を訪ね、生徒たちに政党などについて語った動画をネットに投稿していたことが判明した。学校側は動画の公開を知らなかったといい、専門家は「売名のために学校を利用するのは許されない」と批判している。

 動画は26日にユーチューブにアップされ、学校側が抗議した後に削除された。浦野氏はX(ツイッター)で「公選法上の問題はない」と主張した上で「確認不足で高校側にご迷惑をおかけした。申し訳ございません」と謝罪した。

 学校によると、浦野氏の関係者から「部活動を視察したい」と依頼があり、10日ごろに浦野氏ら数人が学校を訪問。顧問教諭から部活動について説明を受けた後、部員に約15分間あいさつしたという。

 削除前の動画を毎日新聞が確認すると、浦野氏は、再生の道代表の石丸伸二氏の政治主張を紹介。「再生の道を聞いたことがある人はいますか」と呼びかけ、「僕みたいな若い人とかを公開オーディションで選んだ」「国民の皆さんに選んでいただけたら、しっかり仕事ができる」と発言していた。

 動画には多くの生徒の顔が映っており、生徒に浦野氏の印象について尋ねる場面もあった。動画は教諭らが内容を確認してから公開される取り決めになっていたが、実際には確認前に公開されたという。

 顧問教諭はあくまで部活動の視察と認識していたといい、「実際に訪問した際の様子と動画の内容があまりに違っていて驚いた。公開の段取りなども事前の説明とまったく異なっていた」と憤っている。

 千葉大の藤川大祐教授(教育方法学)は「無許可での公開や、売名のために学校を利用することはあってはならない。公の場に顔を出せない生徒がいるケースもある」と指摘した。

 ホームページによると、浦野氏は学習塾を経営し、教育の改革などを掲げている。【木村敦彦】

毎日新聞

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