「オヤジはオヤジ」 小泉氏、因縁の郵便局と車座対話 取り込み狙う
自民党総裁選に立候補している小泉進次郎農相は27日、東京都内の郵便局で郵便局長ら郵政関係者との「車座対話」を開いた。郵便局長らが組織する「全国郵便局長会」には党員が多く、総裁選の党員票に大きな影響力を持つ一方、郵政民営化を掲げた父・純一郎元首相から続く因縁の相手でもある。「あれから20年。当時の状況とはだいぶ変わった」と政策の見直しを強調する姿からは、過去を乗り越えて総裁選での支援を取り付ける狙いが透ける。
車座対話には菅義偉元首相に近い朝日健太郎参院議員も同席し、約1時間行われた。
小泉氏は会合後、記者団に「地域の疲弊は非常に深刻で、これから地域を守る役割を担っていただく一つの核は郵便局の皆さんだ」と指摘。地方の人口減少が加速するなかで、地方創生に向けて郵便局が全国展開するネットワークを活用していく必要性を強調した。
車座対話の相手に郵政関係者を選んだ意図については「地域を守る役割への思いがしっかりと伝わるように設定をさせてもらった」と説明。郵便局長側から「最初は正直、緊張感があったが、率直に意見交換ができて良かったとの声があった」と紹介し、雪解けムードを強調した。
会合では市町村窓口に行かずに郵便局でマイナンバーカードの交付申請ができる取り組みや、郵便局で農協関連の手続きを可能とする事例などについて協議。国民生活に不可欠な「ユニバーサルサービス」を郵便局が担う取り組みを中心に意見を交わしたという。
小泉氏と郵政には深い因縁がある。父・純一郎氏は郵政民営化を改革の本丸と位置付け、2005年に「郵政解散」を断行。郵政民営化法案に反対する候補には刺客を送り込む異例の対応で改革を推し進めた。
「父がやったことだから、ビタ一文変えさせない。そういう姿勢の総裁のもとに一致団結なんかできない」
小泉氏は会合後、郵政民営化との方向性の違いを問われるとこう強調した。「郵便局をなくすという立場が、郵政解散や郵便民営化ではない」とも語り、「父が手がけた方向性」を維持しつつも「時代の変化を踏まえて見直す」との考えを示した。
郵政解散から20年を経て、改めて「解党的な出直し」のあり方が争点となる今回の総裁選で、「古い自民党をぶっ壊す」とのかけ声の下で郵政改革に突き進んだ父親とは逆に、郵政票を取り込む姿勢を示す小泉氏。周囲には「オヤジはオヤジ。もちろん影響は受けているが政策は違う」と過去とは一線を画する考えを強調する。
会合後、視察について純一郎氏と事前に相談したかを問われると「特にない。(父は)もう最後は自分の判断だという思いではないか」と語った。【高橋祐貴】
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