高市首相の所信表明、原案判明 社会保障給付見直しの国民会議を新設

2025/10/23 09:07 

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 臨時国会で高市早苗首相が初めて実施する所信表明演説の原案が23日、判明した。社会保障の給付と負担のあり方の見直しについて超党派の議員や有識者で構成する「国民会議」の新設を打ち出す。「給付付き税額控除の制度設計を含めた税と社会保障の一体改革について議論する」方針で、少数与党であることを踏まえて、野党にも議論への参加を呼びかける。

 経済・財政政策については「先端技術を開花させる『強い経済』を構築するため、『責任ある積極財政』の考え方の下、戦略的に財政出動を行う」と明記。「所得を増やし、消費マインドを改善し、税収を増加させる。不安を希望に変えていく」として、積極財政の立場を改めて鮮明にする。

 成長戦略分野では、先端産業を「開花」させ、経済成長を実現する「日本成長戦略会議」の創設を表明する。成長戦略の加速には「金融の力が必要だ」とも指摘し、「金融を通じ、日本経済と地方経済の潜在力を解き放つための戦略」を策定。「世界の投資家が信頼を寄せる経済を実現することで、世界の資本が流れ込む好循環を生み出す」と強調する。

 このほか、「危機管理投資」として、経済安全保障や食料安全保障などの社会課題について、官民で戦略的投資を行っていくことも打ち出す。【古川宗】

毎日新聞

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