茂木外相、イラン情勢で各国と電話協議 沈静化要請も収束見えず
ホルムズ海峡の事実上の封鎖で中東情勢が悪化する中、茂木敏充外相が米国や中東各国と相次いで電話協議をしている。交戦中のイスラエル、イランに事態の早期沈静化を働きかけたのに続き、16日夜にはルビオ米国務長官とホルムズ海峡の航行の安全の重要性について意見交換した。日本が危機感を強める背景には、原油輸入の9割を中東に依存し、そのほとんどがホルムズ海峡を通過する特殊事情があり、事態収束の兆しは見えない。
ホルムズ海峡を巡り、トランプ米大統領は中東からの原油に頼る日本や韓国などにホルムズ海峡への艦船派遣を要求してきた。ただ、16日の電話協議ではルビオ氏から茂木氏に艦船派遣を直接求める発言はなかったという。
茂木氏は協議でイランの行動を非難した上で「ホルムズ海峡における航行の安全は、エネルギー安全保障の観点から日本を含む国際社会に極めて重要だ。米国を含む国際社会と連携する」と述べ、米国などとの協力に意欲を示した。両氏は引き続き緊密な意思疎通を確認した。
6日のイスラエルのサール外相、9日のイランのアラグチ外相と合わせ、交戦当事国への働きかけは一巡した。サール氏には地域情勢悪化への深刻な懸念を伝え、事態の早期沈静化を強く要請。アラグチ氏にも同様に求めた上で、周辺の民間施設への攻撃やホルムズ海峡の航行の安全を脅かす行為を直接非難し、即時停止を求めた。
伝統的な友好関係も生かし、紛争仲介の役割を担ってきたオマーンやカタールとも連携を進める。
一方、16日夜には、日本が原油の8割以上を調達するアラブ首長国連邦(UAE)、サウジアラビアの各外相とも電話協議。茂木氏は原油の安定供給を求め、両氏は協力する考えを示した。
ただ、日本の安定的な原油調達に向けた展望は今のところ見通せない。イランのホルムズ海峡への機雷敷設の可能性は残り、周辺の石油インフラ施設への攻撃も続く。2025年の日本の輸入原油の94%は中東で、それ以外は米国の3・8%などわずかだ。政府関係者は「封鎖が長期化すると備蓄も持たない」と懸念を強めている。【田所柳子】
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