伊藤女流初段「息づかい感じる」 タイトル戦で初の記録係 王将戦
静岡県掛川市の掛川城二の丸茶室で指されているALSOK杯第74期王将戦七番勝負(毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社主催)第1局で、伊藤明日香女流初段(42)が記録を務めている。
タイトル戦の記録は初めてで、しかも2日制の長丁場。「依頼が来て、驚いた」と振り返るが、実際に務めた感想を「あっという間という感じ。事前に経験のある奨励会員らにリサーチし、『眠気対策を用意した方がいい』と助言されたけれど、使わずに済みそう」と語り、藤井聡太王将(22)と永瀬拓矢九段(32)の熱戦を注視している。
女流タイトル戦をはじめ他棋戦で多く記録を務める。2人の対局もテレビ棋戦などで間近にしてきたが、「和服姿でもあるし、全く雰囲気が違う。短い時間の対局と違い、より息づかいを感じる」と話す。
2日目の13日午前、藤井王将が1時間半の長考を払った局面では、「耳が真っ赤になっていた。部屋の熱気もあるけれど、形勢が思わしくないと感じているのかも」と推測する。
普段から将棋の普及活動にいそしみ、17日に放送開始のテレビ東京系ドラマ「法廷のドラゴン」では、将棋の所作指導などに携わる。また、今期王将戦の第2局2日目の26日、東京都渋谷区の駒テラス西参道ホールでの大盤解説会(解説・中村修九段)の聞き手を担う予定だ。
「藤井王将の扇子の使い方が両手ともにうまくてアクティブ過ぎるのと、永瀬九段の目薬が3種類あり、どう使い分けているのかが印象的だった」と、解説会に向けた“ネタ収集”も怠りない。
第1局の大役も終盤に差し掛かっている。【最上聡】
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