「表情見えた」「感慨深い」 コロナに高校生活奪われた世代が成人式
「成人の日」の13日、20歳を迎えた人たちの門出を祝う式典が各地で開かれた。
今年の主な対象者である2004年度生まれは、中学校の卒業式シーズンだった20年春に新型コロナウイルスの感染拡大が本格化し、高校時代は節目節目の式典や修学旅行といったイベント、部活動などが満足にできなかった世代だ。
新型コロナの感染症法上の位置づけが5類に移行したのは、高校を卒業した直後の23年5月だった。
どんな思いで旧友と再会したのか。
◇無事に式典できて感無量
「今年成人式の子たちって高校生活全部コロナで潰れた代なんだよね」
「卒園と小学校入学は(東日本大)震災の影響で簡素化 中学校卒業と高校入学は新型コロナで制限 節目節目でどうしようもない出来事が起きたから母達は無事に式典が開催できた事だけで感無量」
SNS(ネット交流ーサービス)には、こんな投稿が目に付く。
13日午前と午後の2部制で開かれた東京都葛飾区の「はたちのつどい」には約2500人が参加し、それぞれがスマートフォンで記念撮影をしたり、思い出を語り合ったりしていた。
保育園からの友人と一緒に参加した大学生の小野心優(みゆ)さん(20)は「高校時代は文化祭や体育祭などのイベントがあまりできず、青春らしいことが少なかった。中学の卒業式は時間が短くて寂しかったけれど、5年ぶりにみんなの顔を見たら、化粧をしたりしてきれいになっていて驚いた。マスクなしで参加できた今回の式は感慨深いです」と笑顔を見せた。
神奈川県藤沢市から駆け付けた会社員の森風助さん(20)は、この日のために白いスーツと紫のシャツを新調した。
「いつもの仲間と会えたので特に感動とかはない」と照れ笑いを浮かべつつ、「今年はいろいろなことに挑戦したい」と抱負を語った。
また、式に参加した女性の40代の母親は「高校時代はマスク生活を送っていたので表情が見えなかった。保護者として娘の笑顔が見られたことはうれしいです」と安堵(あんど)した様子で話した。【隈元悠太】
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