日照時間が…石川と福井で歴史的曇天続き 輪島は50日連続で雪や雨

2025/01/14 17:25 

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 暗い曇り空が広がる天候がおなじみの北陸3県の冬だが、今季は冬型の気圧配置が強い影響もあって石川県と福井県で歴史的な「曇天続き」となっている。金沢市や福井市、能登半島地震と豪雨被災地の石川県輪島市では、昨年11月26日以降、少量でも毎日、雪を含め降雨が確認されており、14日で「50日連続」になった。被災者の健康管理などへの影響も懸念される情勢だ。

 11日からの3連休中は、今冬には珍しく多くの地域で日中は日が差した。連休明けの金沢市は14日、一転して雨交じりの一日となり、市中心部では雷鳴も響いた。

 気象庁の統計では、全く雪や雨が確認されなかった日は「――」で表示され、少量でも確認されると「0・0ミリ」以上の数値が記される。金沢、輪島、福井で直近で「――」が記録されたのは、昨年11月25日だ。週間天気予報では、今後も曇りがちな日々が続く。

 連休直前に東北同様の豪雪が懸念される寒波が訪れたものの、今冬、降雪・降雨量は際立ってはいない。一方、懸念されるのが「日照時間」の少なさだ。

 金沢市の場合、12月の月間日照時間の平年値は68・9時間。これに対して、連日曇天が続いた昨年12月は40・9時間。第2次世界大戦の終戦後間もない1946年の28・8時間以来78年ぶりの低水準となった。

 東京では230時間を超えるなど、今季は「冬晴れ」続きの太平洋側との格差は巨大だ。北陸はかつて、冬場に太陽の光を浴びることが少ないことが一因になったとされる「くる病(成人は骨軟化症)」が風土病とされ、対策に苦しんできた。

 日本海の上空から雨雲が押し寄せる被災地・輪島市は、12月の月間日照時間がわずか32・9時間。山を越えた珠洲市の内浦側の半分程度だった。1月になってからも、元日の地震1年の現場追悼は、強い雨の下で行われ、日照時間が1日1時間未満の日の連続だ。3連休も計9時間未満にとどまった。

 福井市でも12月の月間日照時間は、47・6時間にとどまっており、平年より約25時間も少なかった。【竹中拓実】

毎日新聞

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