西山朋佳白玲 将棋・編入試験最終戦で負け、初の女性棋士誕生ならず
将棋の棋士編入試験に挑戦していた女流棋士、西山朋佳白玲(29)は22日、大阪府高槻市の関西将棋会館で柵木(ませぎ)幹太四段(26)と第5局を指し、135手で敗れた。5番勝負の編入試験は2勝3敗に終わり、あと一歩のところで女性初の将棋のプロ棋士誕生はならなかった。西山白玲は終局直後、「いろいろ思いはあるが、まずは5人の試験官の方々にすごく感謝しています」と対戦相手に謝意を表した。再挑戦については、「今後のことは整理して考えたい」と述べるにとどめた。
対局は先手番の柵木四段の居飛車に対し、西山白玲は得意の三間飛車に構えた。西山白玲は終盤、相手の玉に激しく迫り、1分将棋になってからも粘ったが、最後は即詰みに討ち取られた。
感想戦の後で記者会見した西山白玲は、編入試験の5局が行われた4カ月間を「充実した期間だった」と振り返り、「今日の最終局もだが、準備(してきた局面)と微妙な違いがあった時に対応する力が足りなかった」と敗因を語った。
棋士編入試験は、アマチュアや女流棋士にプロ棋士への門戸を開く制度。現行制度は新人の四段棋士5人と対局し、3勝すれば順位戦以外の棋戦に出場できるフリークラスの棋士になれる。これまでに奨励会経験のない小山怜央四段(31)らいずれも男性3人が合格して棋士になった。女性は福間香奈清麗(32)が2022年に初めて挑んだが、初戦から3連敗して終わり、西山白玲は2人目の挑戦者だった。
西山白玲の編入試験は24年9月に始まり、第1局を勝利したものの、その後連敗して1勝2敗のカド番に追い込まれた。しかし、第4局を快勝して五分の星に戻し、第5局に望みをつないでいた。【新土居仁昌、最上聡】
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