公的年金、25年度は1.9%増 物価上昇に追いつかず実質目減り

2025/01/24 18:47 

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 厚生労働省は24日、2025年度の公的年金額を1・9%増額すると発表した。物価や賃金上昇を反映し、3年連続で引き上げる。少子高齢化を考慮して年金額を抑える「マクロ経済スライド」が3年連続で適用されるため、実際の賃金の伸びに比べて0・4%目減りする。4、5月分を支給する6月の受け取り分から適用する。

 国民年金は40年間保険料を満額納めた場合、70歳未満の人は月6万9308円(前年度比1308円増)、70歳以上は6万9108円(同1300円増)となる。平均的な給与で40年間働いたサラリーマンの夫と専業主婦世帯の「モデル世帯」が受け取る厚生年金は、23万2784円(同4412円増)となる。

 年金額は物価や賃金の変動率に応じて毎年度改定される。物価が賃金を上回る場合、賃金の変動率に合わせて改定するルール。24日発表の24年の消費者物価指数(CPI、生鮮食品をを含む総合指数)は2・7%で、名目手取り賃金変動率は2・3%だった。本来の改定率は2・3%だが、マクロ経済スライドの発動で調整分の0・4%を差し引くと改定率は1・9%となった。国民年金の月額保険料は1万7510円(同530円増)となる。

 家族の形や働き方の多様化に合わせ、加入期間など一定の仮定を置いた1人当たりの年金額も初めて公表した。約36万円の収入があり、約33年間厚生年金に加入した女性は13万2117円など、5パターンを示した。【宇多川はるか】

毎日新聞

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