環境相「理解醸成、国の責務」 福島・双葉町の除染土再利用検討で

2025/02/25 15:36 

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 東京電力福島第1原発(福島県双葉町、大熊町)事故後に福島県内の除染で出た土を巡り、双葉町の伊沢史朗町長が町内での再利用検討を表明したことを受け、浅尾慶一郎環境相は25日の閣議後の記者会見で、全国で再利用を進めるため「理解醸成を国の責務として行っていく」と述べた。

 伊沢氏は首都圏など県外で理解醸成が進んでいないことを踏まえ、町内での再利用を検討していると毎日新聞の取材で明らかにしていた。これを受け、浅尾氏は24日、福島市内で伊沢氏に面会。伊沢氏は面会後、報道陣に対し、私見として改めて町内での再利用の可能性に言及した。

 国は除染土のうち、放射性セシウム濃度が1キロ当たり8000ベクレル以下の土については全国の公共事業などで再利用し、最終処分量を減らす方針を決めている。浅尾氏は25日の会見で「県内、全国で再生利用ができるようにしていかないと、最終処分する量が減容されない」と強調。県外での再利用を進めるため、「(全国で)放射線に関する認識も高めていかなければいけない。(国は)科学的事実を伝えていく必要性がある」と話した。

 再利用受け入れに関する自治体へのインセンティブ(動機)について、浅尾氏は除染土などの運搬費用は国が負担するとの意向を示したが「その他については、特段決まったことがあるわけではない」と述べるにとどめた。【山口智】

毎日新聞

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