福島第1原発、検査一部見直し 統一の指標導入へ 原子力規制委

2025/03/12 18:58 

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 原子力規制委員会は12日の定例会で、東京電力福島第1原発を対象にした検査に、通常の原発や核燃料施設と同じ評価指標を導入すると決めた。福島第1が事故を起こしたことを踏まえ、これまで古い指標を使っていたが、統一することでわかりやすくする。関連要領を改正し、4月に施行する。

 規制委は2020年、検査官が原子力施設を抜き打ちで検査できることなどを盛り込んだ「新検査制度」を導入した。福島第1でも抜き打ち検査自体は導入されたが、検査の評価などほとんどの項目は、旧制度のままになっていた。

 例えば、検査で違反が見つかった場合、旧制度では「軽微な違反」「違反」の2段階で評価する。だが、新制度ではこうした表現は使わず、規制委が追加で対応する必要が「ある」か「ない」か、法令違反や不正行為の有無を4段階の「深刻度」で評価している。

 規制委は、「軽微」のような表現では誤解を招く可能性もあることから、新制度の指標に統一することにした。山中伸介委員長は「トラブルの重要度が東電にうまく伝わっていない可能性があった。制度を改善することで安全上の影響をしっかり伝え、自主的な改善を促したい」と述べた。【高橋由衣】

毎日新聞

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