無戸籍の子の救済制度、利用は59人 対象者504人 3月末期限

2025/03/17 19:55 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 無戸籍の子を対象にした1年間限定の特例の救済制度を巡り、利用者が1月末時点で59人にとどまっていたことが判明した。救済制度の期限は3月末に迫っているが、法務省によると、少なくとも504人が救済制度の対象でありながら無戸籍を解消できていないという。

 民法には子の父親を決める「嫡出推定」の規定があり、離婚後300日以内に生まれた子は前夫の子と推定すると定めている。

 前夫の子と推定されるのを避けるため、出生届が出されず、子が無戸籍になる問題が相次ぎ、2024年4月に嫡出推定のルールを見直した改正民法が施行された。ただ、施行前に生まれた子は改正民法が適用されないため、施行から1年間に限って救済制度が設けられた。

 法務省によると、25年2月10日時点の無戸籍者は707人で、509人が嫡出推定を原因に挙げた。509人のうち、救済制度の対象者が何人いるか、法務省は当初、把握していなかったが、調査したところ、504人が救済制度の対象者だった。

 その上で、504人の個別の事情も精査した結果、504人のうち148人は救済制度とは別の手続きで無戸籍を解消しうると判断した。一方で、62人は救済制度でなければ無戸籍の解消が難しいとみられ、294人は判断がつかないという。法務省はこれらの人について、救済制度の利用を強く働きかける方針だ。【三上健太郎】

毎日新聞

社会

社会一覧>