中井やまゆり園でまた虐待が発覚 侮辱的な発言や引きずり行為

2025/04/01 08:49 

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 神奈川県は31日、県立知的障害者施設「中井やまゆり園」(中井町)で、50代の男性職員2人が30代男性入所者の尊厳を傷つける発言をするなど三つの行為が虐待として認定されたと発表した。園では過去にも虐待が相次ぎ、外部アドバイザーを入れて支援の改善を図っていた。

 県によると、2月12日午前、50代男性職員が、入所者が頻繁にトイレに向かう様子を見て「(犬などがする)マーキングなんてやめてよ」と発言。さらに別の50代男性職員と一緒に入所者の手足を持ち、居室の方へ約10メートル引きずった。その際に下着などがずれ落ち、下半身が露出したが放置して立ち去った。

 目撃した職員から上司に報告され、園が障害者虐待防止法に基づき入所者が元々住んでいた自治体に通報。3月27日にこれら三つの行為が心理的・身体的虐待、ネグレクトと認定されたという。

 記者会見した井上一園長は「(行為は)人権上問題がある。利用者を人間として見られていない状況だったと認識している」と述べた。

 園では利用者を汚い環境で生活させたり、利用者の肛門にナットが入っていたりしたことなどが明るみに出て、2022年4月から利用者支援の改善に当たっている。【蓬田正志】

毎日新聞

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