大阪・関西万博で「阿波踊り」出展 史上最大の700人規模で披露

2025/04/08 08:15 

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 大阪市で13日に開幕する大阪・関西万博に、関西広域連合の一つとして徳島県が「阿波踊り」を出展する。ゴールデンウイーク期間中の5月3日には、史上最大規模の約700人を動員し、輪になって踊り合う「輪踊り」に挑む予定だ。阿波踊りの世界発信の貴重な機会となるだけに、地元関係者の期待も高まる。【山本芳博】

 阿波踊りは1970年の大阪万博でも披露され、認知度アップの大きな契機になった。県万博推進課によると、今回の万博では、世界中の人が集い、つながる万博で踊りの輪が「鳴門の渦」のように重なり、一体感が世界に広がる――などというコンセプトで踊りを繰り広げるという。

 万博会場で阿波踊りが披露されるのは主にEXPOアリーナ「Matsuri」で、阿波おどり振興協会や県阿波踊り協会の選抜メンバーの連など9グループが参加する。5月2日からグループごとの演舞があり、翌3日午後7時15分からのフィナーレでは、全出演者が会場内全体に広がって観客に踊り方を教えた後、グループごとに高張り提灯(ちょうちん)を掲げて輪踊りをしながら「鳴門の渦」に見立てた輪をいくつも作る。さらに観客も加わり、阿波踊り史上最大の参加人数の輪踊りを目指すという。

 県は阿波踊り以外にも徳島の魅力を発信する。「関西パビリオン」(チケット購入時に予約)には徳島など9府県の独自展示ゾーンがあり、徳島ゾーンでは、木を差し合わせて組み立てる技法「阿波指物」を用いた障子などを設置する。障子は「伝統」の象徴の竜と「新世代」の象徴の鳳凰(ほうおう)が向き合うデザインで、雨水が剣山から吉野川に入り、鳴門の渦潮に流れ込む一連の自然と時間の流れを表現する。

 プロジェクションマッピングもあり阿波踊り体験のほか、鳴門の渦潮や祖谷(いや)のかずら橋など県内の観光名所を、自身が水になったイメージで旅する映像が映し出される。

 準備も着々と進んでいる。3月30日には徳島市の吉野川河川敷で踊り手ら計約600人が合同練習をして手順を確かめた。2025年夏の同市の阿波踊りPRポスターのモデルに選ばれた「水玉連」の高橋小雪さん(20)は「万博で踊れることは一生に1回あるかないかなので、踊れること自体がうれしい。万博という大舞台で笑顔を忘れずに恥ずかしくない踊りをしたい」と意気込んでいた。4月13日午後1時からは、同市の藍場浜公園で出演者の壮行会があり、飛び入り参加も大歓迎だという。

毎日新聞

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