英、ハイブリッド車販売禁止を2035年に延期 米追加関税を受け

2025/04/08 08:39 

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 スターマー英首相は7日の演説で、温室効果ガスの排出削減のため2030年に導入する予定のガソリン車などの新車販売禁止措置について、一部緩和すると表明した。ハイブリッド車(HV)は適用を35年まで延期し、小規模メーカーは対象から除外する。トランプ米政権が3日に発動した、米国外で製造された輸入車に対する25%の追加関税の影響を和らげるための対策として打ち出した。

 英政府の発表によると、禁止措置を延期する対象車種には、トヨタ自動車の「プリウス」や日産自動車の「e-POWER」が含まれている。

 英自動車大手ジャガー・ランドローバーの工場で演説したスターマー氏は「商取引と貿易を巡る世界は変わった」と述べ、「困難な時代だが、全力で皆さんを支える」と強調した。一方で「冷静な対応が必要だ。貿易戦争は望まない」としてトランプ大統領への直接的な批判は避け、「状況を緩和するため米国と協議を続ける」と語った。

 英自動車メーカーは主に高級車を米市場に輸出している。ロイター通信によると、24年の英国製自動車の対米輸出は100万台強、約76億ポンド(約1兆4300億円)に上り、輸出先としては欧州連合(EU)に次いで2番目に多い。

 ガソリン車などの新車販売禁止の導入時期は、保守党のスナク前政権が30年から35年に先送りしたが、24年7月の総選挙で大勝した労働党のスターマー政権が再び30年に戻していた。【ロンドン福永方人】

毎日新聞

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