菊水酒造が「発酵」テーマの新施設 イベント通じ魅力発信 新潟

2025/04/16 08:15 

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 酒造メーカーの「菊水酒造」(新潟県新発田市)は15日、「発酵」をテーマにした新施設「KIKUSUI蔵GARDEN(きくすいくらガーデン)」の内覧会を開いた。発酵にまつわる体験型のイベントを開催する「ラボ」も設け、日本酒の製造には欠かせない発酵の魅力をアピールするほか、発酵食品が味わえるカフェや売店も併設。親子連れも楽しめる空間づくりを目指す。

 新施設は29日のオープン前に、報道関係者に公開された。新発田市の本社内に建設され、延べ床面積は約370平方メートル。総工費は隣接する事務所も合わせて計約15億円。

 ラボは、発酵について理解を深める場と位置づけた。親子連れを対象としたパンづくり教室などイベントを通じ、発酵がもたらす変化を楽しむ実験スペースとなっている。木升を模した家具を配置し、酒蔵らしい雰囲気も演出した。

 カフェでは、発酵食品を生かしたさまざまなメニューを用意。日本庭園を眺めながら、酒かすを使ったチーズケーキやベーグルなどが楽しめる。

 売店では「蔵元限定しぼりたて生原酒」を販売する。注文を受けてから生原酒をサーバーから直接瓶に詰める商品で、蔵元直営店ならではの新鮮さが特徴だ。酒米を原料にしたクラフトビールも提供する。

 菊水酒造は1881年創業の老舗メーカーで、黄色のアルミ缶に入った日本酒「菊水ふなぐち」などで知られる。高沢大介社長は「新施設のコンセプトは発見。単なる観光施設にとどまらず、来場者には五感を通じて、発酵の価値を感じ取ってもらいたい」と来場を呼びかけた。【神崎修一】

毎日新聞

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