「100日足らずで破壊」 バイデン氏、トランプ氏を厳しく批判

2025/04/16 15:50 

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 バイデン前米大統領は15日、中西部イリノイ州シカゴで開催された障害者団体の集会に出席し、退任後初めて公の場で演説した。トランプ現政権が社会保障関連の人員や公共サービスの削減を進めていることに触れ、「(発足から)100日足らずで信じがたいほどの損害と破壊をもたらした」と厳しく批判した。

 バイデン氏は1月の退任後、昨年11月の大統領選で示された民意を尊重し、公の場でのトランプ政権への批判は避けてきた。だが今回は「(米社会が)こんなに分断されたことはなかった」と指摘した。

 さらに、トランプ大統領の側近で実業家のイーロン・マスク氏が率いる政府効率化省(DOGE)が主導する歳出削減策について、「社会保障局にまでおのを振り下ろし、7000人の職員を追い出した」と糾弾した。

 民主党は2026年11月の中間選挙に向けて、社会保障政策などトランプ政権下で進む「改革」への批判を、自党の支持向上につなげたい考えとみられる。

 82歳のバイデン氏を巡っては、昨年の大統領選で再選を目指したが高齢による衰えへの懸念が高まり、7月下旬に出馬断念に追い込まれた。民主党内ではバイデン氏の撤退決断が遅かったことが、トランプ氏の勝利につながったとの批判的な見方は根強い。米紙ニューヨーク・タイムズによると、バイデン氏は将来的にさらに講演活動を行う可能性があるという。【ワシントン松井聡】

毎日新聞

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