関税交渉「90日間での正式合意難しい」 ベッセント氏が見解

2025/04/16 09:33 

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 ベッセント米財務長官は15日、トランプ政権が発動した関税を巡る各国との交渉について「中国を除き大きな貿易相手国は14カ国あり、急ピッチで手続きを進めている。90日以内に正式な法的文書が完成するかというと、その可能性は低そうだ」と述べ、「相互関税」の一部を停止する7月9日までに正式合意するのは難しいとの認識を示した。

 米ヤフーファイナンスのインタビューに答えた。交渉課題として、規制や税制などの「非関税障壁」、為替操作、政府補助金を挙げ、早期に「原則合意」にこぎ着けるのは可能との認識を示した。

 米国は9日に発動した相互関税の上乗せ部分を90日間停止し、その間に各国と個別交渉する予定。日本は16日に赤沢亮正経済再生担当相が訪米して、ベッセント氏と会談する。

 一方、米ホワイトハウスのレビット大統領報道官は15日の記者会見で、米中貿易戦争で打撃を受ける米農家について「救済策を検討している。農務長官が大統領と協議している」と述べ、支援策を講じる考えを示した。また、「ボールは中国側にある。中国は我々と取引(ディール)する必要がある」と述べ、中国側からの歩み寄りを求めた。

 中国はトランプ政権が課した125%の「相互関税」に対抗し、同率の報復関税を発動済み。米国は中国に大豆やトウモロコシなどの農産物を輸出しており、前例のない高関税で米農家の経営に打撃を与える恐れが出ていた。

 第1次トランプ政権も、米中貿易戦争で打撃を受けた農家に280億ドル(約4兆円)の支援を実行していた。トランプ氏は15日、自らの交流サイト(SNS)に「我々の農家を守る!」と投稿した。【ワシントン大久保渉】

毎日新聞

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