島根の陶芸家、出雲の婚礼解説書を出版 CFと寄付で資金集め
島根県松江市在住の陶芸家でキャリアコンサルタントの糸賀香織さんが、昭和初期の出雲地方の婚礼を再現した解説書「出雲の祝言(しゅうげん)」を出版した。15年前の自らの結婚式では、地元の保存会の協力で花嫁行列を再現。昭和初期の披露宴の献立を調べて調理した。その衣食住の記録写真を掲載し、日本語と英語の説明文を添えて、出雲の文化を理解できるよう工夫した。
糸賀さんは島根県雲南市出身で、2010年5月、雲松寺(松江市宍道町宍道)の僧侶、一峰(かずたか)さん(50)と結婚した。「伝統的な婚礼を再現したい」と一峰さんに相談し、結婚式は雲松寺で仏式で行い、披露宴は糸賀さんの希望通り昭和初期の様式で進めた。
糸賀さんは、まず島根県出雲市斐川町の「タナベ美容室」の田部光恵さんに相談。同じ地域にある市有形文化財「原鹿の旧豪農屋敷」を紹介してもらい、披露宴の会場に決めた。嫁入り道具を入れた衣装箱「長持(ながもち)」を担ぐ際に歌う「長持唄」の保存会「若松会」が花嫁行列をしたいと申し出てくれ、それに合わせた道具もそろえた。
婚礼膳は昭和初期の料理を再現したいと思い、文献を参考に献立を家族で考えた。刺し身や天ぷら、すし以外は自分たちで調理した。お膳や食器は旧家に残っていた物を使ったが、お膳は1人につき4枚と決まっており、参列者45人分では計180枚必要だったため、不足分は買い足した。配膳には僧侶や檀家(だんか)の婦人部らが協力してくれたという。
結婚後、糸賀さんは2度の出産を経て、今では8歳と6歳の男児の母になり、旧姓・周藤(すとう)の名前で陶芸家としても活躍する。この14年間、自ら経験した伝統的な婚礼を書籍にまとめる構想を温め続け、昨年9~10月にクラウドファンディング(CF)で73人から66万5000円の支援を得た。直接受け取った寄付を加えて、今回の出版にこぎ着けた。
書籍「出雲の祝言」の「第一章 婚礼の一日」では、仏式結婚式や花嫁行列、披露宴のほか、雲松寺の近くにある出雲市の名勝「木幡(こわた)山荘」での茶会も掲載。花嫁が嫁ぎ先の家に入る前、花婿側が用意した履物に替える「草履の履き替えの儀」の様子も載せた。
「第二章 衣・食・住で綴(つづ)る日本のかたち」では、献立と食器、着物と小物、出雲の家の造りを解説する。「海外の方にも出雲の魅力を婚礼儀式を通じて伝えたい」と全文に英訳を付けた。
A4判カラーの144ページで、800部作った。CF支援者に返礼品で送るほか、島根県内の公立図書館39カ所と松江市内の公民館29カ所に寄贈する。希望者には6600円(送料別)で販売する。問い合わせは糸賀さんのメール(kankoro007@gmail.com)。【村瀬達男】
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