「今からでもやるべき」 GWの留守宅 泥棒が嫌がる七つのポイント

2025/04/30 07:30 

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 留守宅が増える長期休暇を、泥棒は狙っているかもしれない。空き巣被害に遭わないために「この家は入りにくそう」と思わせる演出をしよう。

 ◇侵入手口の1位はまさかの……

 「防犯意識の高い家、という印象を与えることが基本の対策です。出掛ける予定がある人は、今からでもやるべきことがあります」

 不動産の管理や点検を手掛けるさくら事務所(本社・東京都渋谷区)の住宅診断士、田村啓さん(37)はそう訴えている。

 警察庁の「住まいる防犯110番」に掲載された資料では2023年、住宅を対象とした侵入窃盗の認知件数は1万7469件。1日当たり約48件発生していることになる。

 発生場所で最も多いのは戸建て住宅の30・5%で、侵入の手口を見ると戸建て住宅と共同住宅いずれも、無締まり(鍵を締め忘れた扉や窓からの侵入)が最上位。そしてガラス破りなどが続く。

 「戸締まりが一番大事であることは言うまでもありません。玄関だけでなく窓も意識して、二重ロックを徹底するなど基本の対策を確実にしてほしい」と田村さんは促す。

 戸建て住宅の防犯ポイントは▽戸締まりの徹底▽雨戸などの活用▽補助錠の設置▽防犯カメラの導入▽足場になりそうな脚立などの撤去▽高すぎる塀は逆効果▽二重三重の防犯――の7点だ。

 マンションなど共同住宅でもオートロックを過信してはいけないという。

 「住人の後ろについて行けば建物内に入れます。雨どいや避難はしごを使って屋上やベランダから住戸に侵入されることもあり得ます。玄関と窓の鍵を締め、窓ガラスには防犯フィルムを貼るといいですね」と田村さんは話す。

 ドアや窓を開けにくくして手間取らせることは、物理的に犯行を防ぐだけでなく、空き巣に諦めさせることにもつながるのだ。

 普段からゴミ出しなど「ちょっとした外出」時に鍵を締めない習慣がある人は「締め忘れ」に要注意だ。

 ◇出発前にできることは

 出発までに日程の余裕があるなら、防犯用のセンサーライトや見守りカメラの購入、外部の視線をさえぎるほどの高すぎる生け垣の手入れをすることがおすすめだ。

 「ホームセンターや通販サイトではゴールデンウイークにセールを開催するところもあるので、防犯グッズを試してみるチャンスです」と田村さんは話す。

 出発が間近なら、新聞などの配達を止めて郵便受けを空にする、玄関周辺に置いてあるゴミや子供の遊び道具などを片付ける、近所に親しい人がいれば留守を知らせておくなどの対策がある。「不在中に来客の予定はないので、誰か訪ねてきたら教えてください」などと声かけをしておくと安心だ。

 泥棒が留守を見抜くポイントは、たまった郵便物、外に干したままの洗濯物、開け閉めされないカーテンなど。逆に「地域の目」があると感じることで、侵入をためらうという。

 田村さんはこう締めくくった。

 「自ら犯人を引き寄せないよう気をつけ、戸締まりをしっかりして出発しましょう。入らせない、盗ませない、盗まれても取り返す、の意識が大切です」【山崎明子】

毎日新聞

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