将棋・山下数毅三段が快進撃 竜王戦ランキング戦で連続昇級

2025/05/03 09:30 

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 将棋の第38期竜王戦5組ランキング戦準決勝で、棋士養成機関の奨励会に所属する山下数毅三段(16)が山本博志五段(28)に116手で勝って決勝に進出し、4組に昇級した。

 山下三段は京都市在住の高校2年生。中学2年だった2022年10月から三段リーグで戦い、23年度前期に次点1回を取っている。次点二つでプロ入り(四段昇段)の権利を得られるが、今回、決勝進出したことで、規定により今期三段リーグ終了時(9月)に新たに次点を獲得する。

 竜王戦は最上位の1組から一番下の6組に分かれてトーナメント戦を戦い、上の組の決勝トーナメント進出を目指す。棋士以外に女流棋士、アマチュア、奨励会員が一番下の6組に参加する。

 山下三段は前期に6組決勝まで進み、棋士以外で初めて5組昇級を果たした。今期も、23年度に藤井聡太名人(22)に次ぐ高い勝率を挙げた藤本渚五段(19)や、22年叡王戦で挑戦者になった出口若武六段(30)ら若手実力者を破る快進撃を続けて準決勝に進出した。

 山下三段の快進撃を受け、日本将棋連盟は急きょ、5組で決勝に進めば三段リーグの次点を与えるという新たな規定を設けた。ただし、今期リーグの勝率が25%を下回ると次点の資格は失う。

 終局後、山下三段は報道陣の取材に「三段になって結果があまり出ないことが続いていたので、その中で連続で昇級できたのは大変うれしい。まだリーグが残っていて(次点は)確定していない。今まで通り三段リーグに全力を注いでいけたらと思っています」と決意表明した。

 次点2回で棋士になる権利を行使するか問われると、「リーグでしっかり成績を残してから考えたい」と、三段リーグで好成績を上げることに集中する考えを語った。

 12日の5組決勝は高田明浩五段(22)と対戦し、勝てば藤井聡太竜王への挑戦権を争う決勝トーナメントに進出する。今期竜王戦での目標を聞かれると、「あまりそういうことは考えていません。一局一局、大切に指していきたいです」と慎重に答えた。【丸山進】

毎日新聞

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