憲法記念日、各地で集会 護憲派と改憲派が議論深め
憲法記念日の3日、各地で憲法をテーマにした集会が開かれた。改憲派、護憲派それぞれの立場で考えを共有し、議論を深めた。【宮城裕也、川上珠実】
◇「動きが進まず、もどかしい」
改憲を求める民間団体「美しい日本の憲法をつくる国民の会」は東京都千代田区で「公開憲法フォーラム」を開催し、会場の約800人、オンライン視聴の約2万人(いずれも主催者発表)が耳を傾けた。
石破茂首相はビデオメッセージで「憲法改正は新たな情勢への的確な対応と民意の反映のための重要な機会。その認識は多くの国民に共有されていると考える」と述べ、憲法改正を目指す姿勢を示した。麗沢大の江崎道朗特任教授(安全保障)は、2024年5月に中国が台湾を取り囲む形で実施した軍事演習について「(軍事侵攻の)リハーサルのようだった」と米インド太平洋軍司令官が発言したとし、「中国の台湾有事に対する動きが強まっている。自衛隊が各国の軍隊と活動できるよう憲法改正すべきだ」と強調した。
登壇した自民党憲法改正実現本部の古屋圭司本部長、日本維新の会の青柳仁士政調会長、国民民主党の川合孝典憲法調査会長らには、国民の会が憲法改正を求める声明文を提出した。
都内の会社員女性(51)は「憲法改正に向けた動きがなかなか進まないことがもどかしい。国会議員はもっと真剣に取り組んでほしいし、世論も盛り上がらないといけない」と話した。
◇「子ども戦争に行かせたくない」
護憲を訴える市民団体などは「未来は変えられる!戦争ではなく平和なくらし! 2025憲法大集会」を東京都江東区で開いた。改憲発議を許さないことや、戦争放棄と戦力不保持をうたう憲法9条を生かした平和外交を求めることなどをスローガンに掲げ、延べ約3万8000人(主催者発表)が参加した。
中央大の植野妙実子(まみこ)名誉教授(憲法学)は、ロシアのウクライナ侵攻やパレスチナ自治区ガザ地区へのイスラエル軍の攻撃を挙げ、「各国に対して日本国憲法の素晴らしさを伝えるべきだ」と主張した。国内外に被爆の実相を伝えてノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の代表委員、田中熙巳(てるみ)さん(93)も「私たちの努力を引き継ぎ、世界中に広めていただきたい」と呼びかけた。
立憲民主党の辻元清美代表代行は、24年の衆院選で改憲勢力が改憲発議に必要な3分の2に届かなかったことを「皆さんの力」とし、今夏の参院選でも「しっかり歯止めをかけていただきたい」と訴えた。
埼玉県越谷市の会社員、原田大真(ひろまさ)さん(39)は「9条が変わってしまうのは怖いと思うようになった。子どもは戦争に行かせたくない」と話した。
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