急増する動物原因の鉄道輸送障害、20年で15倍超 解決難しく
動物が線路に入ったことで起きたトラブルにより、鉄道の運行に支障が出るケースが急増している。国土交通省によると、過去10年で約3倍、20年では15倍以上に増えた。鉄道各社は対策を講じているが、根本的な解決は難しいのが実情だ。
「1匹のヘビで新幹線が止まるなんて。対策できないのだろうか」。4月30日夕方、大阪へ帰省途中だった会社員男性(45)は東京駅で足止めされ、混雑する改札前でつぶやいた。
この日の午後5時半ごろ、岐阜羽島―米原間で停電が発生。列車に電気を送る架線に、ヘビ(体長1メートル)が接触してショートした。停電の影響で下りは東京―新大阪間、上りは浜松―新大阪間で運転を一時見合わせ、午後7時ごろに再開した。上下線86本が遅れ、約6万7000人に影響が出た。
ヘビだけでなく、シカやイノシシ、タヌキなどが列車と衝突する事故も相次ぐ。
国交省によると、動物が原因で30分以上の遅れが生じるなどした「輸送障害」は、2003年度に81件だったが、13年度は465件、23年度は1369件に上った。一部の野生動物が増え、生息域を広げたことが一因とみられる。
動物と衝突すると、列車が遅れるだけでなく、車体の損傷にもつながる。乗客がけがをする恐れもあるため、各社は動物を線路に近づかせないように対策に知恵を絞っている。
JR九州では、架線を支える電柱のそばのワイヤに、帽子の形をした器具を設置。ヘビがワイヤを登って架線に近づけないようにした。電柱には、ヘビが嫌がる臭いがする薬剤をまいている。
ただ、過去にはトンネルの上から落ちてきたヘビが架線に接触し、停電したことがあった。担当者は「動物が相手なので完全に防ぐことは難しい」と語る。
近畿日本鉄道ではシカの侵入を防ぐため、線路の両側に高さ約2・5メートルのネットを張った場所がある。列車が通過する時間帯には、特別な装置から、シカが嫌う超音波を発信している。
岩手県のJR釜石線では山間部を通る線路の周辺に、シカの天敵であるライオンのふんの成分を含んだ液剤をまいている。
長岡技術科学大の山本麻希准教授(野生動物管理学)は「東日本のシカは近年、猟師の減少などによって個体数が増え、生息域を広げている。列車との衝突を減らすには、ハード面の対策に加え、野生動物の生息密度を管理する必要がある」と指摘する。【木村敦彦】
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