日大理事長からパワハラの訴え 元副学長の賠償請求棄却 東京地裁

2025/05/09 15:01 

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 日本大アメリカンフットボール部(廃部)の部員による違法薬物事件への対応を巡り、林真理子理事長から辞任を強要されるパワーハラスメントを受けたとして、沢田康広元副学長(2023年12月に辞任)が林理事長に1000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は9日、沢田氏の請求を棄却した。

 沢田氏は23年7月、後に大麻と判明する植物片を寮で見つけたが、大学内に保管し、警視庁への報告が発見の12日後になった。大学が開いた記者会見で「隠蔽(いんぺい)したのでは」との批判が相次ぎ、沢田氏は「学生に反省させ、自首させたかった」などと釈明に追われた。

 訴状によると、沢田氏は記者会見後の23年8月下旬、林理事長から合理的な理由を告げられないまま、学内の主要な会議への出席を禁止する命令を受け、9月に入ると、副学長を辞任するように執拗(しつよう)に求められたと主張。沢田氏側はこれらの行為がパワハラに該当すると訴えた。

 これに対して、林理事長側は会議で参加者が自由に発言できるようにするため、沢田氏に出席を遠慮してほしいと要請はしたものの、命令ではないと反論。辞任についてもあくまで検討を促しただけで、強要に当たる発言はしていないとしていた。【安元久美子】

毎日新聞

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