トランプ政権、関税交渉に通貨政策含めない方針 ドル安加速で転換
米ブルームバーグ通信は14日、トランプ米政権が関税措置を巡る各国との交渉に通貨政策を含めない方針と報じた。「相互関税」など大規模関税に対する不信感でドルが売られ、各国通貨に対するドル安が進んでいるため。トランプ大統領は米製造業の輸出競争力を高めるため自国通貨安を望んでいたが、急速過ぎるドル安の加速に方針転換を余儀なくされた形だ。
報道によると、関税引き下げに向けた今後の交渉では、主要国間で合意されている「不当な為替操作」の禁止を除き、通貨目標など為替政策を議題にすることはないとした。また、ベッセント財務長官のみが為替問題について各国と議論する権限を持つことになるという。
ヘッジファンド出身で国際金融市場の動きに精通したベッセント氏は、ドル安を志向するトランプ政権の中で「強いドル」の必要性を唱えてきた数少ない政府高官。4月上旬には、米国債、ドル、米株式が一斉に売られる「トリプル安」を受け、相互関税の一時停止をトランプ氏に進言したとされる。
トランプ氏は、円や中国の人民元など主要国通貨がドルに対し不当に安いことが米製造業衰退の原因との「被害意識」を持ち、繰り返し批判していた。トランプ氏に政策提言する大統領経済諮問委員会(CEA)のスティーブン・ミラン委員長も同様の認識で、各国に対する関税引き下げの条件としてドル安への協力を求める構想を掲げていた。
だが、外国為替市場では世界経済に大打撃を与えるトランプ関税が投資家の不信感を招きドルが集中的に売られる事態が起きた。今年1月のトランプ政権発足時に1ドル=155円程度だった円相場は4月下旬、一時1ドル=139円台と約7カ月ぶりの円高・ドル安水準をつけ、現在も146円台前後で取引されている。
行き過ぎた米国売りは国際金融市場で「基軸通貨」ドルの地位を失墜させ、輸出競争力の強化という目先のメリットをはるかに上回る損失となる。このため、トランプ政権は、ドル安誘導を念頭に置いた為替交渉を当面見送る方針に転じたとみられる。
実際、トランプ政権が関税引き下げに応じた最近の英国や中国との合意に、為替問題は盛り込まれなかった。加藤勝信財務相がベッセント氏と4月下旬に会談した際も、為替水準の目標や、それに対する枠組みの話は全く出なかったと説明している。【ワシントン大久保渉】
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