専門学校理事長を卒業生らが提訴 「学友会費」3400万円使途不明

2025/05/14 20:35 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 はり・きゅう師らを養成する「平成医療学園専門学校」(大阪市北区)を運営する学校法人の理事長が、専門学校の入学時に学生が支払った会費を不正に使っていたとして、卒業生ら35人が14日、理事長と学校法人を相手取り計195万円の返還を求める訴訟を大阪地裁に起こした。

 訴状によると、専門学校の学生らは入学時、学校法人に対し「学友会費」として1人5万円を支払うよう求められたという。会費は理事長が管理する口座で保管され、2024年4月ごろまでに計約2億3000万円が集まった。

 ただ「学友会」という組織は実際には存在せず、会費は理事長が役員を務める貸金業者の株式の取得や学校法人の運営費用の補てんに使われた疑いがあるという。会費は法人の決算には計上されず、使途不明金は約3400万円に上るとされる。

 提訴後に会見した卒業生の松本尚純さん(48)は「会費は実質的に理事長らの裏金として使われた。本来は教育関係の整備や充実など、学生らのために使われるべきだ」と話した。一方、学校法人は取材に「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。【岩崎歩】

毎日新聞

社会

社会一覧>