雇用助けた雇調金、長期化で「効果失う」傾向 コロナ禍の政策検証
新型コロナウイルス禍で計6兆円が支給された国の雇用調整助成金(雇調金)について、受給が長期化すると雇用維持の効果は失われる傾向があるとの調査結果を、独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)がまとめた。
雇調金は、事業縮小を余儀なくされた事業者が従業員を休ませて休業手当を支払った場合に、国が手当の一部を助成する。コロナ禍では2020年4月~23年3月、企業への上限額や助成率を大幅に引き上げる特例措置が実施された。
JILPTが12日に公表した速報結果によると、雇調金の支給額はリーマン・ショック期に比べ、業種・期間ともに広範囲に及んだ。雇用保険が適用されている事業所で雇調金を受給したのは、リーマン・ショックの影響が大きかった10年で5%だったのに対し、コロナ禍初期の20年では18%と3倍以上だった。
今回の調査結果では、労働市場環境が急激に悪化したコロナ初期の段階で、雇調金は大量の失業者が出る可能性を回避する役割を果たしたと評価した。コロナ禍で大きな影響を受けた宿泊業、飲食店、生活関連サービス業において、受給した事業所が廃業しなかった確率は85〜90%に上ったことなどを踏まえた。
その一方で、受給が終了すると、その事業所で離職者が増え、採用率は低いとの結果が出た。そのため、廃業や失業を防ぐ効果は短期的で、受給が長期化すると雇用維持の効果は失われる傾向があると指摘。また受給後に離職した人は、受給しなかった人に比べ、再就職に時間がかかっていた。JILPTは、特例措置を長期化させず一定期間に限ることや、個々の事業所への適用期間に上限を設けることなどの必要性を挙げた。【堀菜菜子】
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