「目で見て分かる応援」 サインエールでデフリンピックを一つに
スポーツ会場の応援といえば――。楽器に合わせながら声を張り上げるスタイルは、プロ野球やサッカーで広く定着している。
だが、声援や音が、選手に届かない世界がある。
11月15日に開幕する聴覚障害者の国際スポーツ大会「デフリンピック」。世界70~80カ国・地域から聴覚障害のある選手約3000人が出場する予定だ。
◇ベースは「手話」
デフリンピックに向け、選手にエールを届けようと、音に頼らない新しい応援の形が生まれた。
聴覚障害者らがチームを作り、昨春から半年ほどかけて開発され、「サインエール」と名付けられた。
昨年11月、東京都江東区で開かれたデフリンピックの1年前イベントで初披露された。
サインエールは、目で世界を捉える人々の身体感覚と、日本の手話をベースに作られている。
代表的な応援が、両手を広げて顔の横からひらひらと動かし前に押し出す動きで「行け!」を表す。
ほかにも、胸にタッチした後、拳を握って「大丈夫、勝つ!」を表現する。
「日本列島」や「メダル」を意味する手話も交えた「日本、メダルつかみ取れ」という動作もある。
4月2日、東京・国立競技場で行われたサッカーの親善試合でもサインエールが活用された。
聴覚障害がある選手で構成するデフサッカーの男子日本代表が、日本フットボールリーグ(JFL)のクリアソン新宿と対戦した。
日本代表の応援席から、500人を超える来場者が一斉にサインエールで選手を後押しした。
先導する応援者が紙を掲げて合図を出し、チャンスの場面では「行け!」と何度も繰り返し、失点した場面では「大丈夫、勝つ!」とエールを送った。
応援に参加した男性(69)は「陸上競技が好きなので、デフリンピックも観戦に行き、サインエールで応援してみたい」と話した。
自身も聴覚障害者で、手話表現者として活動する西脇将伍さんはサインエールの開発にも携わった。
「大事なのはアスリートに熱気を届けること」と、イベントなどを通じて普及活動に励む。
◇「応援、感じる」
実際、国立の試合に出場したデフサッカー日本代表の選手の一人は試合後、「試合になって感覚が研ぎ澄まされると、何も聞こえない中で(応援の)熱気が伝わる」と話した。
別競技のデフ選手も「今までは自分一人で頑張っているイメージだったが、サインエールなら自分が応援されていると感じ、自信を持てる」と歓迎する。
5月9日、東京都中野区の桃花小学校でデフリンピックに向けた特別授業があり、西脇さんの指導で児童がサインエールを体験した。
6年生の長尾紗来さんは「手話は難しいイメージだったけど、サインエールは覚えやすかった」と話した。
西脇さんは11月の本番で、満員のスタンドから心と動きを合わせ、アスリートに力を送る姿を思い描く。
「応援を受けて頑張るアスリートの姿を見て、今度は我々が感動をもらえる。会場が一つになり、(障害や国境の)壁を取り壊すことができる」【川村咲平】
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