一力、152手で白番中押し勝ち 3連覇へ好発進 本因坊戦第1局

2025/05/14 19:52 

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 一力遼本因坊(27)に芝野虎丸十段(25)が挑戦する第80期本因坊決定戦五番勝負第1局(毎日新聞社・日本棋院・関西棋院主催、大和証券グループ特別協賛)が14日、甲府市の常磐ホテルで打たれ、同日午後5時7分、一力本因坊が152手で白番中押し勝ちした。一力本因坊は3連覇に向け、好スタートを切った。持ち時間各3時間のうち、残り時間は芝野十段1分、一力本因坊4分。第2局は25日、秋田県能代市の「旧料亭金勇」で打たれる。

 一力本因坊と芝野十段による本因坊戦の番勝負は初めて。対局場の常磐ホテルは1929(昭和4)年創業の老舗ホテルで、本因坊戦のほか、将棋の名人戦や王将戦など囲碁・将棋の数々の名勝負が繰り広げられた舞台として知られる。

 14日午前10時、立会の二十四世本因坊秀芳(石田芳夫九段)の掛け声で対局が始まり、ニギリの結果、芝野十段が先番(黒番)に。序盤は早い進行となったが、昼食休憩後は長考合戦となる。一力本因坊が白78ブツカリとしたのに対し、芝野十段が黒79ツキアタリと強手で応じ、中央で激しい戦いに突入する。大きなフリカワリとなった後、右辺での戦いとなるが、一力本因坊が的確な打ち回しでシノギきり快勝した。

 解説の寺山怜六段は「一力本因坊が充実した内容で勝利した一方で、芝野十段はチャンスらしいチャンスもなく苦しい碁となりました。芝野十段が第2局でどうパフォーマンスを上げていくかに注目したい」と話した。【武内亮、最上聡】

 ◇一力本因坊の話

 前例のない形で、判断が難しかった。右辺のまとまり具合が焦点になったが、石を取られる心配がなくなって勝ちを意識した。次もコンディションを整えて臨みたい。

 ◇芝野十段の話

 中央のフリカワリで難しくなったと思ったが、右辺の囲い方に自信がなく、石を取りにいったのに問題があったかもしれない。次局はしっかり準備して頑張りたい。

毎日新聞

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