「おめでとう!」鳥羽水族館70周年 300匹と一緒にくす玉でお祝い

2025/05/16 09:45 

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 現在国内で唯一、ラッコとジュゴンを飼育する三重県の鳥羽水族館が15日、開館70周年を迎えた。若井嘉人館長は「70年を迎えられて感無量。お客様、動物、従業員への感謝の気持ちを大事にしたい。ラッコやジュゴンだけでなく他の動物の魅力も引き出し、時代に合わせた新たな切り口や見せ方でどんどん発信していきたい」と話した。

 開館時間前からジュゴンの限定オリジナルステッカーを目当てに約200人が並ぶなど雰囲気が盛り上がる中、記念のセレモニーが開かれた。公式キャラクターでラッコの「ふわり」と「ぷかり」も登場し、詰めかけた約200人の「70周年おめでとう!」の声に合わせ、50種300匹が泳ぐ大水槽内でダイバーがくす玉を割った。

 鳥羽水族館は、地元で海産物問屋を営んでいた中村楠雄さんが、いけすに泳ぐ魚を見て観光客が喜ぶ姿に「水族館を作ろう」と息子の幸昭さんとともに1955年5月15日に創設した。現在は飼育種類数で日本一の約1200種類を誇るまでに成長した。

 83年には日本で初めてラッコの飼育を始めると、全国的なブームを巻き起こした。現在、ラッコは乱獲や環境破壊などにより、絶滅危惧種に指定され、国内で飼育されているのは鳥羽水族館のメイとキラのメス2頭のみとなっている。

 館内では、開館時から現在までを振り返る特別展「鳥羽水族館タイムトラベル」が6月1日まで開催され、主なできごとやエピソードが年表にまとめられている。84年にラッコの赤ちゃんが誕生し、飼育したときの秘話なども、写真や映像で紹介されている。

 また、記念企画「クイズトバスイ70」では全70問に回答して七つのスタンプを集めると、もれなく記念ステッカーがもらえるほか、1日飼育係体験や記念アクリルスタンドがもらえる抽選に参加できる。7月31日まで。【小澤由紀】

毎日新聞

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