悪質ホスト規制で改正風営法が成立 借金返済に売春要求を禁止

2025/05/20 13:09 

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 女性客に多額の借金を背負わせる悪質なホストクラブの営業を規制する改正風営法が20日、衆院本会議で可決、成立した。借金の支払いのために女性に売春や性風俗店勤務を要求する行為を禁止することなどが柱。一部を除き、公布から1カ月後に施行される。

 ホストらによる料金の虚偽説明や客の恋愛感情につけ込んだ飲食の要求、客が注文していない飲食の提供を禁止する。営業停止や許可取り消しの対象となり、従わないと刑事罰を科される。

 注文や料金の支払いをさせるために、客を不安にさせて従わせようとする行為も規制する。売掛金(ツケ)やホストによる「立て替え払い」などの債務を支払わせるため、客に売春や性風俗店勤務、アダルトビデオ出演を要求する行為も禁止する。

 また、性風俗側がスカウトらから求職者の紹介を受けたときに紹介料を支払う「スカウトバック」を禁止する。債務支払いのために売春などを要求する行為も含めて、これらは直ちに刑事罰の対象となる。罰則は、6カ月以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金、またはその両方とした。

 風俗営業の無許可営業に対する罰則も強化し、運営法人への罰金の上限は、現行の200万円から3億円に大幅に引き上げる。経営者ら個人は、現行の2年以下の懲役から5年以下の拘禁刑に、罰金は200万円以下から1000万円以下に引き上げる。【山崎征克】

毎日新聞

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