認知症で行方不明後に死亡 7割が5キロ圏内で発見 河川や山林多く

2025/06/05 10:05 

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 2024年に認知症が原因で行方不明になった後に死亡した人の77・8%は行方不明になった場所から5キロ圏内で発見されていたことが5日、警察庁の分析で明らかになった。発見されたのは河川や山林といった人目に付かない場所が多く、警察庁は「早期に保護するためにも、全地球測位システム(GPS)の装着が有効」と呼びかけている。

 死亡した状態で発見された491人について、警察庁が初めて分析した。

 自宅など行方不明になった場所から1キロ以内が235人で、5キロ以内が147人だった。5キロ超~10キロ以内は48人、10キロ超~50キロ以内は45人、50キロ超は15人で、不明が1人いた。

 発見された場所でみると、河川・河川敷が最多の115人で、用水路・側溝79人、山林71人と続き、これらで全体の54・0%を占めた。他は、田畑44人▽路上37人▽海・海岸31人▽住宅などの敷地内30人▽屋内23人▽池・沼11人▽湖・ダム6人――などだった。河川や用水路、山林は手がかりがないと捜索が難しいとされる。

 認知症で行方不明になり、24年に全国の警察に届け出があったのは1万8121人(前年比4・8%減)で12年に統計を取り始めて以降、初めて減少した。

 23年以前の届け出も含め、24年中に警察や家族らに発見されたのは1万6942人。所在確認の時期は99・3%が1週間以内で、届け出当日は73・6%だった。2年以上たってから所在が確認された人もいた。死亡していたのは549人、届け出の取り下げなども552件あった。

 24年に行方不明になり、無事に見つかった1万6877人のうち111人はGPSを着用していた。103人は家族が持たせ、8人は自治体からの貸与だった。【山崎征克】

毎日新聞

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