横田めぐみさん帰国願うチャリティーコンサート バスにポスター掲示

2025/06/05 16:16 

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 北朝鮮に拉致された横田めぐみさん(行方不明時13歳)の父滋さんが亡くなって丸5年となった5日、めぐみさんの帰国を願うポスターが新潟交通のバス車内に掲示された。企画しためぐみさんの同級生有志の池田正樹さん(61)は「ポスターを見て拉致問題を思い出して心を寄せてほしい」と呼びかけた。

 ポスターは滋さんと母早紀江さん(89)がめぐみさんと抱き合う様子に「早紀江お母さんには必ず抱き合ってほしい」などと記され、上下には同級生有志が毎年開催しているチャリティーコンサートが告知されている。

 早紀江さんは5日、川崎市内の自宅から電話で取材に応じ、命日を迎えた滋さんの写真に「もう5年もたってしまったんだよね。難しいけど頑張るね」と話しかけたことを明かし、「長い年月だが永続的に忘れることなく問題を心に捉えてもらい、解決するまではと家族に寄り添ってもらいありがたい」と話した。

 コンサートは拉致被害者全員の早期帰国を願い、今年で15回目。今年はめぐみさんの誕生日前日の10月4日に新潟県民会館で開かれ、ポスターは市内を走る路線バス50台に、コンサート当日まで張られる。

 池田さんは「滋さんが亡くなって5年もたつのに政府が取り戻すことができないのが(滋さんに)申し訳ない。(石破茂首相には)我が子のことのように思って解決に当たってほしい」と訴えた。

 滋さんは1997年に結成された拉致被害者家族会の初代代表として救出活動の先頭に立ち続けたが、めぐみさんとの再会を果たせないまま2020年に87歳で亡くなった。政府が認定した未帰国の拉致被害者12人のうち存命の親は早紀江さんただ一人となっている。【戸田紗友莉】

毎日新聞

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