北海道警、エリア限定の勤務制度導入へ 全国初、待遇に変化なし

2025/06/06 06:45 

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 北海道警は5日、職員が希望する市町村やその近くに限定した勤務を認める「生活拠点人事制度」を導入すると発表した。来春の定期異動から新制度をスタートする。道警によると、警察組織としては全国で初めての取り組みとなる。

 道警によると、現状の制度では北海道全体が異動エリアで、長期にわたって単身赴任となってしまうなど課題があった。家族から離れることのない環境を整え、私生活を充実させることで士気高く仕事に取り組める職場環境の整備を目指し、新制度を導入する。

 新制度の利用を希望する職員は、定住したい市町村を申請し、道警は希望市町村かその近郊の「拠点エリア」に配置する。その後はエリア内のみで異動する。制度の利用による給与などの待遇に変化はない。

 対象は警部補以下の職員約9000人に上る。希望者が登録できるのは、札幌市や小樽市などを除く170市町村。担当者は「制度として『遠くに行くことはない』と保証することで、安心感が得られる」と説明する。

 2024年の採用試験の受験者数は2064人で、19年の4138人から半減。「地元志向」の高校生も多く、全道異動が警察官を志望する障壁になっている可能性もあるという。【和田幸栞】

毎日新聞

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