小学生もつらい生理痛 理解されにくい悩みに対応 「ピル外来」誕生
初潮を迎え、生理痛などの不調を抱える小学生からの女性が受診できるピル外来(生理外来)が東京都内に誕生した。子どもの場合は婦人科の受診をためらうケースがあることを背景に、家庭医が鎮痛剤や低用量ピル、漢方処方などの多様な選択肢を示すことで、生理の悩みの早期解決を目指す。
認定NPO法人フローレンスのグループ法人で、小児科や不登校外来、女性の心療内科などを設ける「フローレンスこどもと心クリニック」(東京都渋谷区)が6月に「小学生からのピル外来」を開設した。
診察は、子どもから高齢者のさまざまな悩みに対応する家庭医の栗原史帆医師が担当。患者の生理痛の相談に乗るほか、必要に応じてピルや漢方薬、鎮痛剤を処方する。婦人科の内診には対応しておらず、疾患の疑いがある場合は他の婦人科を紹介するという。
日本産婦人科医会のホームページによると、思春期は子宮の過収縮による生理痛などの月経困難症が多いのに加えて、最近では不妊の原因にもなる子宮内膜症も10~20代で増加しているという。
子宮内膜症は徐々に重くなる生理痛が早期発見の鍵だ。
しかし、2016年度に千葉県の女子中高生を対象にしたスポーツ庁委託事業調査によると、71%が生理痛を、34%が月経前症候群(PMS)を抱えていたにもかかわらず、生理痛については43%が「我慢している」、35%が「薬で我慢している」、15%が「勉強や体育がつらい」と回答した。生理痛の治療が十分に受けられていない実態がある。
ただ、小中高生らが婦人科を受診する心理的ハードルは高いほか、PMS治療に有効で保険適用にもなるピルには避妊目的のイメージが根強く、敬遠されがちだ。
フローレンスこどもと心クリニックの医師らによると、婦人科では「内診台での診察が必須」と勘違いしており、受診に抵抗を示す中学生の親子もいた。
さらに、小学生では「周囲は生理が来ていない子や、来ていても軽い子がほとんどなので、自分が気持ち悪そうにしていても周囲に理解してもらえない」という子もいる。
高校生は「生理痛がつらく、体育のマラソンを座って見学したいが、男性の熱血系教師に『ゆっくり走れ』と促され、座らせてもらえない」などと、生理のつらさについて学校で理解されにくいという声が寄せられているという。
栗原医師は「自分の体や性について十分な情報を得て、必要な医療やケアを受ける権利があるのは大人だけではなく、初潮を迎える小中学生も同じ。ピル外来開設をきっかけに、『生理は我慢するもの』という当たり前を変えていきたい」と話している。
ピル外来の診療は火曜午前と、水曜午前・午後。中学生以下は保護者の同伴が必要。予約や詳細はホームページ(https://margaret-kodomo.jp/)。【西本紗保美】
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