MA米の主食用3万トン、輸入前倒し 小泉農相が発表 不足解消狙う

2025/06/12 19:47 

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 小泉進次郎農相は12日、外国産米を無関税で政府が輸入する「ミニマムアクセス(MA)米」について、主に主食用として調達する枠(年間最大10万トン)の輸入を前倒しすると発表した。例年9月に入札を始め、12月ごろから引き渡しているが、今年は今月27日に初回の入札を実施し、9月下旬をめどに引き渡す予定で、3カ月ほど早まることになる。高騰しているコメの不足感を解消するのが狙いだという。

 小泉氏が農林水産省内で記者団の取材に説明した。

 MAの主食用米は主に外食業者や弁当などの中食業者が使用している。今回、前倒しで輸入するのは、輸入業者と国内の業者がペアになり入札に参加する「売買同時契約(SBS)」と呼ばれる枠のコメ。昨年は9~12月に月1回のペースで入札を計4回実施。毎回2万5000トンが落札された。

 小泉氏は今月27日に前倒しで実施するSBS米の入札について、数量は3万トンと説明。その後、例年同様に上限に達するまで毎月入札を実施していく方針という。小泉氏は「まだ(米価が)十分下がっていない」と危機感を示し「米価高騰(抑制)のためにはできることは何でもやる」と強調した。

 政府はこれまで約91万トンあった政府備蓄米について、約81万トン放出することを決定している。小泉氏は残る約10万トンを放出してもコメ価格が下がらない事態に備え、MA米の前倒し輸入を打ち出し、一時的に市場のコメの流通量を引き上げたい考え。それでもコメ価格が落ち着かなければ、政府による外国産米の緊急輸入も検討するとみられる。【中津川甫】

毎日新聞

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