岩手・大船渡の綾里漁協が今季初水揚げ 山林火災で定置網燃える

2025/06/17 15:22 

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 岩手県大船渡市の大規模山林火災で、定置網が焼失した綾里(りょうり)漁協で17日、今季の初水揚げがあった。火災で倉庫ごと焼け落ちたが、借りた網で例年より1カ月余り遅れて漁にこぎ着けた。マグロ2トンなどの漁獲があり、漁船の乗組員からは「漁ができてよかった」との声が聞かれた。

 綾里漁協は2月の火災で定置網倉庫と保管していた網4セットが全焼し、被害額は計11億円超に上る。今季の漁が危ぶまれたが、大船渡に隣接する釜石市の水産会社から網を借り、2カ所ある漁場のうち1カ所で操業できることになった。今後新調する網は国が補助率を通常の2分の1から4分の3に引き上げる他、倉庫の再建費用も助成する。

 漁協は14日に定置網を設置しており、この日は午前4時半ごろ漁船が綾里漁港を出港。「網起こし」と呼ばれる漁をした後、午前6時半ごろ、大船渡市魚市場に接岸して水揚げした。乗組員の男性(62)は「漁ができたことに感謝したい。魚が取れてよかった」と頰を緩めた。【奥田伸一】

毎日新聞

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