私立杉森高、校名を「福岡キャリアi」に変更へ 卒業生は反対署名

2025/06/18 16:47 

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 福岡県柳川市の私立杉森高(生徒約450人)は18日、2026年4月から校名を「福岡キャリアi(あい)」に変更すると発表した。卒業生は、学校創設者で女子教育の先駆者、故杉森シカに由来する校名が消えることに反対署名を集めているが、記者会見した同校の岩本初恵理事長(64)は「変化する時、反対者が出るのは覚悟の上」と話した。

 1895年の学校創立から130年を機に新スタートを切る。美容・健康食品製造販売「愛しとーと」(那珂川市)CEO(最高経営責任者)の岩本氏が23年12月に理事長に就き、校名変更の検討を始め、学校法人名も「杉森学園」から「岩本学園」に変更するよう県に申請中だ。

 新校名は県外にもアピールする狙いと、キャリア教育を重視し、生徒を愛する意味を込めたという。岩本理事長は「イメージを新しくし、子供たちが『入りたい』と言う名にする」と話した。

 一方、校名「杉森高」の存続を願う卒業生は4月から署名集めを始め、5月に同校に署名を提出しようとしたが、学校側は受け取らなかったという。金丸敏雄校長は「名前も名乗らずいきなり来たので『困ります』という対応をした」と説明した。

 これに対し、校名変更に反対する署名を集める「杉森の将来を考える卒業生の会」の山下美香共同代表は「杉森の名が消えると建学の精神や、地域と共に育んできた教育文化が失われる」と話し、署名提出を再度試みる。

 学校は、老朽化した体育館を改修して26年春から再利用する計画や、普通科の医療総合コースを普通コースに改変する考えも明らかにした。校訓「誠実努力礼節」や校歌は継続する。【降旗英峰】

毎日新聞

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