能登沖含む海域活断層、M7地震「30年で16~18%」 政府初推計

2025/06/27 17:00 

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 政府の地震調査研究推進本部(地震本部)は27日、兵庫県から富山県の北方沖の海域活断層によって、今後30年以内にマグニチュード(M)7以上の地震が起こる確率を16~18%とする推計を発表した。2024年1月に発生した能登半島地震(M7・6)の震源断層を含む海域の地震発生確率が示されるのは初めて。

 海域活断層の地震発生確率は、これまで九州と中国地方の日本海側の推計が公表されている。能登半島沖を含む海域の評価は能登半島地震の発生に間に合わず、公表の遅れを指摘する声が自治体などから出ていた。

 評価の対象は長さ20キロ以上で、M7・0以上の地震を起こすと考えられる計23の海域活断層。沿岸部に震度6弱以上の揺れと、高さ1メートル以上の津波を引き起こす可能性がある。主に音波探査などのデータを基に平均発生間隔を個別に推計するなどし、海域全体と西部・東部に分けた発生確率を算出した。

 その結果、いずれかの断層が動いて地震が起こる確率は西部で4~6%、東部で12~14%と見積もられた。東部には能登半島地震で動いた「能登半島北岸断層帯」(約94キロ)が含まれ、海域内で最大のM7・8~8・1程度の地震が想定される。ただし、同断層帯の確率はほぼ0%になった。

 地震本部は長期評価を地域防災に早く生かせるよう、公表の仕方を見直し。24年8月、兵庫県から新潟県の北方沖の海域活断層について、位置や予想される地震の規模などを発生確率に先んじて公表していた。【高橋由衣】

毎日新聞

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