LINE「オープンチャット」異例の注意喚起 選挙の誤情報拡散巡り
「その投稿はデマかも?」
メッセージアプリ「LINE(ライン)」のグループトーク機能「オープンチャット」を運営するLINEヤフー社は、オープンチャット上での選挙デマや違法行為の拡散に対し、異例の注意喚起を行った。
LINEヤフー社によると、同社が選挙期間に合わせて、こうした具体的な注意喚起を行うのは今回が初めてだという。
背景には陰謀論や誤情報の拡散に利用されることへの危機感があるようだ。
◇チャット内で広まる陰謀論や誤情報
LINEが提供するグループチャット機能の一つで、ユーザーがLINE本体のプロフィルとは切り離されたニックネームやアイコンを使って参加できる匿名性の高い機能。
共通の関心や話題に基づいて多数のユーザーが参加することができ、特定のテーマごとに部屋(スレッド)を作成して交流できる。
参加のハードルが低く、政治・社会・趣味など幅広い分野で利用されている一方で、匿名性が高いこともあり「陰謀論や選挙関連の誤情報が広まりやすい場」と懸念もされてきた。
参院選が公示されて以降、オープンチャット上では<期日前投票は書き換えられる>や<不正選挙が行われている>といった、選挙に関する誤りや根拠のない情報が多数投稿されている。
LINEヤフー社はこうした状況を踏まえ11日、利用者に向けて「偽情報・誤情報に惑わされないよう、まずは情報源を確認してほしい」とオープンチャット上に告知した。
政党や候補者、政策などに関する明らかな虚偽情報の拡散は、オープンチャットの禁止事項に該当するほか、公職選挙法違反につながる投稿についても、利用停止などの措置をとる可能性があるとしている。
LINEヤフー社によると、ユーザーから通報があれば、モニタリングチームが投稿を確認し、違反が認められれば削除措置を講じているという。
ただし「すべての違反行為を検知・削除できることを保証するものではない」とも記しており、利用者側の注意と協力を呼び掛けた形だ。
LINEヤフー社は取材に「昨今の選挙時期における交流サイト(SNS)上での情報流通の状況に鑑みて、今回のような注意喚起を行いました」と回答した。
◇暴力行動の起点としないために
政治コミュニケーションに詳しい駒沢大学の逢坂巌教授は、今回のLINEヤフー社の対応について「一定は評価できます」とした上で、「どこまでの投稿を誤情報として削除や警告の対象にするのかの基準が不明確で、運用次第では表現の自由との兼ね合いも問われかねません」と懸念も示した。
「たとえば過激な発言や主張であっても、それがすぐに『誤情報』と断じられるべきなのか、意見表明として尊重されるべきなのかは判断が分かれます。特に選挙のような政治的言論の場面では、プラットフォーム側の対応が言論空間のあり方そのものに影響を及ぼしかねません」
削除や警告といった措置には慎重さが求められると語った。
一方、昨年の兵庫県知事選で特定候補を敵視するような過激な投稿や、検証が困難な陰謀論的な情報がオープンチャット内で盛んに共有されたことに触れ、「チャット内空間がネット上の『祭り』のような盛り上がりのなかで、参加者の誤った正義感やゲーム感覚によって現実の暴力行動へとつながってしまう危険性があります」と警鐘も鳴らす。
過去の米大統領選を巡っては、ヒラリー・クリントン氏が児童の性的虐待に関わったという陰謀論を信じた男性が虐待の拠点とされたピザ店を銃撃する「ピザゲート事件」や落選したトランプ氏の支持者がワシントンの連邦議会議事堂を襲撃したように、匿名掲示板を起点とした誤情報が現実の暴力行動に発展した例もある。
「オープンチャットも匿名性の高さや外部からの見えにくさという点で、こうした匿名掲示板と共通する特徴を持ちます」
逢坂さんはそう指摘した上で、こう付け加えた。
「プラットフォームの運用に透明性と慎重さが求められるのはもちろん、社会全体として情報環境を支える制度設計や教育、メディアの役割も問われています」【隈元悠太】
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